
■photo by Colleen AF Venable
これまで幾度も書いてきましたが、私はRSS全文配信派です。
これまでもずっとそのようにしてきましたし、これからもこの方針は変えるつもりはありません。
昨日@norirrowさんとこのようなやり取りがあったので、久しぶりにRSSの全文配信・部分配信について考えてみます。
@norirow 私も最近部分配信が増えてきてるなと感じていました ちなみに私は根っからの全文配信派です!
— けんけん@再起動 (@knk_n) June 17, 2013
うーむ。やっぱりさ、高速バスの中だと電波が悪いんです。…だからさ、今更RSSの話であれなんだけど、やっぱRSSが『部分配信』で「続きを読む」があると読めないわけです。電波悪い人みんなこんな感じじゃないのかなぁ。なんだか、もったいないよなぁ…。と、思うわけです。
— ノリロウ (@norirow) June 17, 2013
今回の記事を書くにあたり、ブログのRSSを全文配信に切り替えるメリット | PLUSを参考にしています。
また、私は以前 ブログの書き手・読み手が考える「RSS登録すること」と「RSS登録してもらうこと」 という似たような記事を書いています。
今回は、部分配信派の立場でそれぞれのメリット・デメリットを考えてみます。
ちなみにRSS部分配信とは、
会津美里町で開催中の「あやめ祭り」に行ってきた
お隣の会津美里町で「あやめ祭り」という催し物が開かれているという話を聞いて、行ってきました。…
【つづきを読む】
このようにタイトルと概要だけが書いてあって続きはサイトにアクセスしないと読めなくなっているような配信方法のことです。
サイトによっては概要も一部だったり、特定の文字数までは表示されるようになっているなど多少の違いはありますが共通しているのは全文ではないこと・全文読むためにはサイトにアクセスする必要があることです。
RSS全文配信は逆に全文が書いてあるものを指します。こちらはサイトにアクセスしなくても全文をRSS内で読むことができます。
項目別に読む
RSS部分配信のメリット
サイトのアクセス数が増える

つづきを読むためにはサイトにアクセスする必要があるため、当然サイトのアクセスは増えます。
それに加えて目に見えるアクセスが増えるというメリットがあります。RSS登録者の数はいちおう調べる方法がありますが、読んだ・読まないまでは目に見える数字として表すことができません。
RSS全文配信の場合は
「サイトのアクセス数(RSS登録者を除く): ◯◯、RSS登録者: ◯◯人」
となるのに対して、RSS全文配信の場合は
「サイトのアクセス数(RSS登録者を含む): ◯◯、RSS登録者: ◯◯人」
となるので数字をきっちり出そうとすれば部分配信にメリットがあります。
広告クリックの機会が増える

サイトへのアクセスを要求するため、全文配信に比べると広告をクリックされる機会が増えます。
かつてはGoogle Adsenseにフィード向け広告というものがあってRSS側でも広告をクリックしてもらう機会があったのですが、昨年12月3日に広告の掲載が終了してしまいました。
思えばこの出来事はGoogle Readerのサービス終了の一つの伏線だったのかもしれません。現在RSSで広告を表示する方法はあまりないため、部分配信にメリットがあるのかもしれません。
RSS部分配信のデメリット
読み手にとっては不便

Photo credit: montuno / Foter.com / CC BY-SA
RSS部分配信は書き手にはメリットがありますが、読み手にとってはとくにメリットがありません。せっかく手間をかけてRSS登録してもらっても結局サイトへのアクセスが必要ではなんのためのRSS登録なのか。
書きました: 会津美里町で開催中の「あやめ祭り」に行ってきた http://t.co/15HM6ZPrDo pic.twitter.com/cC8pVEB6JM
— けんけん@再起動 (@knk_n) June 16, 2013
Twitterの更新通知

Facebookページの更新通知

Google+ページの更新通知
個人的には本文のないRSS配信はTwitter、Facebookページ、Google+ページでの投稿とあまり変わらない感じがします。最近は更新通知用にTwitterアカウントやFacebookページ、Google+ページを持ってるサイトも多いので、そっちだけフォローしておく読者も増えているのかもしれません。
現状RSSがTwitter、Facebookなどの更新通知に比べて優れているのは全文配信が可能ということだけです。むしろこうしたサービスの普及にともなって部分配信のRSS登録のメリットがますます削られているといってもいいでしょう。
「読まれる」機会の激減

Photo credit: Kartik Malik / Foter.com / CC BY-ND
読者にとって不便さが付きまとう部分配信ですがそうであっても登録してくださる方は必ずいます。そしてその方は他のサイトのRSSも全文配信・部分配信関係なく登録してくださっていることでしょう。
部分配信は全文配信に比べ見劣りします。これだけは真実です。
全文配信・全文配信ときていきなり部分配信が来ると少しげんなりとした気持ちになります。ネットへの接続が良くない環境だとなおさらそう思います。
RSS登録した記事を読むのは多くの場合スマートフォンからだと思います。私もiPhoneで読むのがほとんどですが、高速バスの中など移動中の場合ネット環境が悪くてとてもブラウザを開くことができません。
私はもっぱらReeder派ですがほとんどのRSSリーダーアプリにはオフラインキャッシュ機能でたとえ圏外であっても読めるようになっています。
部分配信はそういう場合読むことができないので、迷わず読み飛ばします。私のように即読み飛ばす人はあまりいないかもしれませんが、間違いなく全文配信に比べて読む機会が減ることは間違いありません。読まれるか・読まれないか以前に読まれる機会自体を失うことになります。
場合によっては購読の機会さえ失うこともあるかもしれません。
まとめ
ここまで部分配信側でのメリット・デメリットを考えてきましたが、正直なところあまり深堀りできなかった気がします。こういった切り口の記事は実際にRSS部分配信を採用しているサイト運営の方に書いていただくのが適当であったかもしれません。
ぜひそういう方には寄稿・反論をいただきたいところですが、最後に私が全文配信を採用した際の基準のようなものを考えてみます。
何を優先したいか?
大切なのはこうして出てきたメリット・デメリットを並べてみて、どこに注力するか・何を優先したいかを考えることです。
現在の私は
- 読者という立場から考えた時、RSSリーダー内で全て完結したほうが読みやすい
- 何が一番大事なのかを考えると、ブログである以上「読んでもらえること」
- 「読者にとってメリットがある」
こうした精神に共感し、なおいっそう全文配信を推進していく立場です。正確なアクセス数などもわかるものなら知りたいですが、ブログである以上読む機会には代えられません。
サイトの運営方針によってこの辺りは微妙に変わるだろうと思います。
大手・大規模なサイトほど部分配信になびく傾向にあるため、このあたりの方針が異なっているのだろうと考えています。
究極的には、読み手のメリットと書き手のメリットのどちらを取るかというところに落ち着くのではないかと思います。
自分が満足できるか?
あとは実際に自分で使ってみて満足できるかどうかが大切です。私は「我こそ当ブログ第一の読者である」と自負しているので余計にこのポイントを重要視しているのかもしれません。
会津美里町で開催中の「あやめ祭り」に行ってきた
お隣の会津美里町で「あやめ祭り」という催し物が開かれているという話を聞いて、行ってきました。…
【つづきを読む】
ちなみに私はこの形態のRSS配信に納得がいきません。先ほど出したTwitterなどのポストと何ら変わらないと考えるからです。
Twitterなどは文字制限があって全文配信できませんが、RSSは全文配信ができます。部分配信ではRSSを使う意味すらないとまで考えることもあります。
実際に使うとこうした不満点は結構出てくるものです。私も日々気づかされることがたくさんあります。
我思う
昔と同じ結びになりますが、私が伝えたいのは
もっと全文RSS配信のブログやサイトが増えて欲しい!
この一点です。
私が部分配信派であればこの記事が心にグサッと刺さったのかもしれませんが伝えたいのはあくまでこの一点のみです。
ぶっちゃけるとfullrss.netとかの全文配信切り替えサービスを使えば部分配信でも全文配信に変換できるから部分配信でも別にいいっちゃいいのですが、いかんせんメンドクサイ。
最初から全文配信でやってもらえるほうがこちらはラクできますからね。
私が登録している中でもここ数ヶ月で部分配信に切り替わったサイトがいくつかあるのでまたfullrss.netのお世話になろうと思います。
では。
参考: ブログのRSSを全文配信に切り替えるメリット | PLUS