(け) [読書]建国記念の日に向けて正しい建国の歴史を学ぼう!竹田恒泰氏著「日本人はなぜ日本のことを知らないのか」

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先日、同氏著「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」を読んだ。

本書はその前著を一部踏襲・展開するものであり、タイトルに有る「日本人が知らない日本のこと」、特に「日本人が知らない日本の建国」について深く掘り下げた本といえる。

近く訪れる「建国記念の日」を前に読むのがおすすめだとのことなので、今回読んでみた。

(け) [書評] 日本がイチバン?「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」

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第Ⅰ部  日本はいつできたのか
   第一章  日本の教科書は世界の非常識
   第二章  憲法の根拠は『日本書紀』にあり
   第三章  神武天皇の否定は初歩的な誤り
   第四章  戦争なく成立した奇跡の統一国家
   第五章  中国から守り抜いた独立と自尊
   第六章  国を知ること、国を愛すること
第Ⅱ部  子供に読ませたい建国の教科書
   ①  先土器時代以前
   ②  新石器時代と日本の縄文時代
   ③  戦乱の弥生時代
   ④  古代王朝の誕生と古墳時代の幕開け
   ⑤  独立国への苦難の道
   ⑥  律令国家の成立
via: 本書目次

教育が伝えぬ世界最古の国「日本」

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我が国日本は、西暦では紀元前660年、神武天皇即位に始まり、現在2673年目を迎える。現存する国家の中で最古の国家である。

老舗が「創業何年」と銘打つように、古い時代から継続してきたことは、大きな誇りである。
(中略)
長い歴史のなかで、価値のないものは淘汰され、失われてきたが、ほんとうに価値のあるものだけが守られ、今に継承されてきた。
伝統には、必ず相当の意味や価値があるものなのである。
via: 本書11頁 – 日本は現存する唯一の古代国家

世界的にもこれだけ長くひとつの国が続いているのは日本だけだ。

アメリカは独立戦争に始まり現在建国から約240年。
一部が「中国の4000年の歴史」と唱える中国も、現中華人民共和国が設立したのは1949年。現在建国からまだ60年だ。
世界2位の歴史を持つデンマークも現在国王の先祖であるゴーム王の時代から約1000年ちょっと。

そう考えると2600年はとても長い。もはやこれは奇跡といってもいい。日本人として生まれればこの奇跡はおおいに誇りとするところだろう。

しかしこの奇跡・誇りを今の教育は伝えない。本書の主張はこのことに尽きるといってもいい。

日本の誇りを教えない日本の教科書

本書では東京書籍の中学用の歴史教科書を一例に、いかに日本の教科書が日本の誇りを子どもたちに伝えていないかが書かれている。

日本の誇り・神話を教えない

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日本の歴史教科書を一言でいえば「日本の誇り・神話を教えない」という一言に尽きる。

日本を建国した初代天皇である神武天皇は神話の人物だ。日本を建国した英雄であり、天皇陵をはじめとした記録なども残っているのに教科書には登場しない。
当然、神話である古事記・日本書紀についても名前自体は登場するものの、その内容については全く触れられていない。
他にも世界最古級の土器である日本の縄文土器についても「世界最古級」という記述を外すなど、日本の誇りとなる部分は削がれている。

これはGHQの占領政策WGIPWar Guilt Information Program)によって行われた墨塗り教科書から始まるもので、軍国主義的な部分をはじめ、愛国尊王の部分についても墨が塗られ、その後教科書から消えた
1951年の独立した後もこの精神を引きずっているのだろう。

女王卑弥呼と邪馬台国

教科書の中で最初に登場する固有名詞を持つ人物が邪馬台国の女王卑弥呼である。しかし卑弥呼は同者と合わせて出てくる中国の書物「魏志倭人伝」に一ヶ所登場するだけだ。日本では書物をはじめ確たる出土物も発見されていないという。

今の子どもに「日本を建国したのは誰か」と尋ねると「卑弥呼」と答える子どもが多いという。こんな教科書を読んでいれば「日本をつくったのは卑弥呼か」と勘違いするのも当然である。

また卑弥呼や邪馬台国という名も周囲の民族を軽蔑する中華思想に基づくものであり、「卑」は「卑しい」、「邪」は「邪悪」を表す。
また倭人伝の倭人、特に「倭」という文字は「矮小」の「矮(こびと)」からできたものでありこれも中華思想に基づくものだ。
当然、日本の史料では使われていない

いずれにせよ、こんな不名誉な名前をわざわざ最初に持ってくるというのは中華思想にでも染まっているのだろうかと思わざるをえない。

残念ながら日本の教科書は頭からすでに問題だらけだったことになる。

考古学と歴史学を意図的に混ぜる

日本の教科書が日本が誇りとする神話を教えないことは先に書いた。
その神話の内容、すなわち神武天皇即位に始まる日本の建国を教えないために教科書に盛り込まれたテクニックがある。
それが「考古学と歴史学を意図的に混ぜる」ことだ。

考古学は古墳・土器など出土物などモノから歴史を学ぶ学問。歴史学は史料すなわち文字から歴史を学ぶ学問だ。(史は文字を意味する。)
これらをうまく混ぜると古事記・日本書紀といった神話を使わなくても日本の歴史を説明できたかのように見せることができるという。

縄文・弥生・古墳時代では考古学すなわち土器や古墳などの出土物を中心に説明し、他国との交流があるときはその国の史料をたよりに説明する。日本の史料である古事記・日本書紀はまったく使われていない

私が学んだ頃も古墳時代に突然、大和王権と大王(おおきみ)が登場したような書きぶりである。あの頃の教育も間違っていたはずだから今も同じように間違ったままなのだろう。

そして飛鳥時代になってようやく天皇が登場。初回の天皇たる推古天皇が初代でなく33代であることや女性であることも何かの含みをもたせているのかと疑わざるをえない。(天皇は基本的に男系男子

そしてこの飛鳥時代になって天皇をはじめ固有名詞が突然増えるのだが、実はこの頃で古事記の内容が終わるのだ。古事記が終わるやいなや史料に基づく固有名詞がでてくるあたりにも今なら違和感を感じることができる。

このように古墳時代と飛鳥時代の間で考古学と歴史学をシフトさせることによって日本の歴史を勉強できたかのような錯覚に陥れることができるという。

なぜ「国史」でなく「日本史」?

国語という科目がある。日本ではこの科目では日本語、日本語を使った書物について勉強する。ただし「日本語とは呼ばず、国語と呼ぶ。国の言葉を学ぶのだから国語と呼んで何ら差し触りはない。

高校で日本の歴史を教える科目は「日本史」という名称になっているが、なぜ「国史」ではないのだろう。終戦までは「国史」という名称だった。これは、ただ科目名が変わっただけではなく、今の歴史教育が、日本人が学ぶべき日本の歴史ではないことを象徴しているのではないか。
via: 本書29頁 – なぜ「国史」でなく「日本史」と呼ぶのか

アメリカで国語といえば英語であり、国史といえばアメリカ史である。日本でもアメリカ史を学ぶ機会はあるかもしれないが「国史であるアメリカ史」とは別物であるに違いない。

「国史であるアメリカ史」と外国人が学ぶアメリカ史が異なるように、「国史である日本史」と外国人が学ぶ日本史は異なる。現在日本で行われている日本史という科目は後者にあたるのではなかろうか。

現在日本で行われている日本史という科目はおそらく外国人が学ぶ日本史であり国史と呼ぶに相応しくない低俗なまがい物であるとそれ自身で示しているといってもいい。

神話に基づく「建国記念の日」

来たる2月11日は「建国記念の日」である。日本書紀によると紀元前660年のこの日、初代神武天皇が即位し日本が建国した。

他国と違って日本の建国は文字のないほど大昔であり、建国を示す独立や革命もなかったため、明確に示すことが困難になっている。そこで神話に頼らざるをえないが、神話を基とする祝日も全くないわけではない。

イエス・キリストが降誕した日とされるクリスマスも同様に神話によるものであり、それと同じようなものだろう。

もしイエス・キリストの末裔がイスラエルかどこかの国王として今に続いていたら、分かりやすかったかもしれない。その国が現存していたら、その国の建国は『聖書』の神話に依拠せざるをえない。
via: 本書33頁 – 失われた紀元節

残念ながら、神話に頼らざるをえないほど昔からある国は現存する中で日本だけらしい。

神話は「真実」を語る

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いま日本では神話は非科学的・史実ではないなどの理由で読む・教える価値がないものと考えられているようだ。これを著者は同様に神話である『聖書』『コーラン』を例に神話が語るのは事実かどうかではなく真実であると語る。

私も聖書は幾分目にしたことはあるが、古事記以上に「これは事実とは違うな」と思うところが多いように思う。本書では『聖書』のマリアの処女懐胎を例に神話の否定は間違いだとし、真実であることが事実であることよりも重要だと書いている。

宗教戦争で国ができたり潰れたりしてきた欧米では神話の真実性・絶対性が確立しており、それらと比べると日本はユルいのかもしれない。

第Ⅱ部 子供に読ませたい建国の教科書

本書の後半には著者が手ずから書いた「自分ならこんな教科書で勉強したい」と考える中学校社会科の歴史用教科書が載っている。建国から始まり律令制度の時代までを収録。
古代の部分は神話と考古学での説明が横断的にリンクし、古墳時代から飛鳥時代へのシフトも違和感なく行われていると思う。現行の教科書と比べるとはるかに「国史」と呼ぶにふさわしい。

私も中学時代こういう教科書で学べればどれだけよかっただろう。子供に読ませたいという名の如く、これは若い人にこそ読んでほしいし、建国記念の日が近い中、建国の歴史を正しく学ぶのにもおすすめだ。
同時にこういうまともな教科書が教育現場で使われる世の中になってほしいと切に思う。

おわりに

来たる建国記念の日に向けて本書以上にふさわしい本はなかなかない。私は本書にあわせて、古事記ももう一度読んでみようかと思っている。
まだ建国記念の日を盛大に祝う世の中にはほど遠いが、建国記念の日くらい我が国の建国の歴史について少しくらい勉強してみてもいいのではないかな。

先日、東京竹田研究会に参加し、竹田恒泰氏の講話「建国の精神について」を聴いた。建国記念の日を迎えるにあたり非常に有意義な話だったので、当時のメモを元に内容をまとめ、建国記念の日当日に当ブログで紹介しようと考えている。
本書評と合わせて見ていただけると嬉しい。

(け) 建国記念の日を記念して「建国の精神について」学んできたことをまとめる@東京竹田研究会
(け) [書評] 日本がイチバン?「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」
[読んだ]我々は真に日本人か?「現代語古事記」を読んで考えたこと
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